タバコをやめたいけどやめられないという人。また周りにタバコを吸っていて「やめたいんだけどね」、なんて言葉を聞いたけどやめる様子がみられない人はいませんか?
いやいや、簡単にはやめられませんから。
というのも、私Archieeも永年タバコの依存から抜け出せずに、カラダに沁みついて習慣化していたので、何かの自覚症状、例えば息切れやのどの痛みがあったとしてもやめる選択肢はありませんでした。

というのも、皆さんもご存じのとおり、タバコには依存性の高いニコチンという麻薬と同様の薬物が含まれているからです。
今回は、ニコチン依存とそこからアロマを使って禁煙に成功した体験を書いてみようと思います。
ニコチンってなに?
ニコチンは脳に快楽をもたらす薬物です。
薬物という表現はインパクトがありますが、麻薬と同じく依存性の高さからいえば、薬物と言わざるを得ませんね(少々耳が痛いですが…)。
ニコチンはタバコの葉に含まれている植物塩基のひとつで、タバコの煙とともに体の中に取り込まれます。

ちなみに、タバコの煙には5,300種類の化学物質が含まれていて、そのうち200種類以上の有害物質、さらに50種類以上の発がん性物質が含まれているようです。
そして、タバコにより摂取されたニコチンは、わずか数秒で血液中から脳へ運ばれ、中脳腹側被蓋野から神経伝達物質の【ドーパミン】というホルモンを分泌させます。
ニコチン依存のメカニズム
じゃあ、どうして依存のスパイラルに陥ってしまうのか。
それはさきほどの【ドーパミン】が大きく関係しています。
ドーパミンとは、人に対し幸福感を感じさせることができるホルモンのことで、【快楽ホルモン】とか【ハッピーホルモン】と言ったりすることもあります。

タバコを吸うとき、こんなことを思ったりしていませんか?
「タバコを吸うとリラックスする」
「ホッとする」
「思考が冴える」
「仕事に集中できる」etc.
ある意味正解です!
なぜなら、ニコチンによって分泌されたドーパミンによって『快楽』を得てしまうから。
そのため、長時間タバコを吸わずにドーパミンが減ってくると、幸福感が目減りし、イライラしたり、タバコを吸いたい衝動にかられてしまいます。
そしてまた吸う。
ドーパミンが欠乏した状態でタバコを吸うと再びイライラが治まり、ホッとしたり、仕事を再開できるため、タバコはなくてはならないものになりますよね。
でも、これらはすべて脳がもたらす錯覚なのですが。でも、喫煙者にとってはそれがリアルな体験としてインプットされていきます。
こうして、着実に身体的依存だけでなく、心理的な依存も強くさせていくんです。

ニコチン依存症の何が悪いの?
タバコをやめるやめないの話をするとき、一つの考え方としてでてくるのが「なんでやめないといけないの?」
だって困ってないし。
そう、タバコのニコチンによる快楽のおかげで、錯覚だろうがなんだろうが、気が紛れているという事実があります。
なので、「悪い」理由を2つ挙げるとすれば
健康被害を受けてしまう
「実際に何かあったらタバコをやめる」という言葉を聞くことがしばしばありますが、肺がん(がん全般)や脳卒中、心疾患や呼吸器疾患などを引き起こす原因になっていることは皆さんご承知のことと思います。
それだけでなく、糖尿病や消化器系疾患、精神疾患などにおいても少なからず影響を与え、病気の悪化のリスクをあげてしまいます。
結果、医療費の増幅、要介護者の身体的、経済的な介護負担の増加などが社会問題として捉えられています。
もちろん美容にもよくないですしね(肌が汚くなります…)。

実はリラックスできていない
ドーパミンにより快楽・幸福感を感じることができる一方、実はこのドーパミンというのは交感神経(自律神経)が優位になっている状態で分泌されているため、脳や身体は興奮・緊張状態になっています。
タバコによってホッとした、リラックスできたと脳が誤認しているにすぎず、タバコを短いスパンで吸い続けると、長い時間興奮・緊張状態を続けさせることになり、実はカラダに大きな負担をかけつづけることになってしまいます。
タバコをやめるきっかけは?

ここまで話してきて、お分かりいただけるかと思いますが、喫煙は依存性が高く、ただの気合いややる気でやめられるものでもないのです。
ですが、実際に禁煙に成功している人も多く存在しています。むしろ増加傾向のようです。
その禁煙のきっかけですが、以下のとおり。
第1位 値上がりしたから
第2位 健康のため
第3位 妊娠や子育て
第4位 節約のため
第5位 完全禁煙
値上がりのタイミングで禁煙チャレンジする方は多いようですね。
また第5位のように職場や公共の場が完全禁煙となれば強制力があり、禁煙に繋がりやすいようです。
禁煙チャレンジのコツ
ちなみに、私の場合は特に強烈なきっかけや動機があったわけではないのですが、タバコにかけるお金や時間を他に向けれたら良いのに、と常に思っていました。
また、花粉アレルギーや肌のエイジングへのタバコのリスクを知っていたからです。
なので、ふと、禁煙しようと思い立ちました。(ほんとに急に)

ですが、やはり、気合いややる気などの根性論では禁煙できません。
私がサポートとして取り入れたのは3つ。
誰かに宣言する
まずはパートナーに宣言しました。
が、これは過去に何度もやって失敗しているので、もっと範囲を広げました。
職場の友人にチャレンジを伝えたり、禁煙アプリで同じく禁煙を目指している方たちとの交流です。
離脱症状(禁煙によって生じるさまざまな不快な症状)や自分の行動を記録することによって、自分の状態を客観的にみつめることができます。

アロマを取り入れる
普段使用している精油を禁煙にも応用できないか、という単純な好奇心です。
実際にアロマ(精油)での成功例もあったり、薬に頼らない自然の力で脱ニコチン依存ができればこんな嬉しいことはないと思いました。
精油のもっとも得意とするリラックス作用やニコチン同様にドーパミンの分泌を促進してくれる精油などを活用すれば、タバコに頼らなくて済むのでは、と考えたのです。

お助けルーティンを決めておく
タバコが吸いたいと思う気持ちは、少なくとも数週間は続きます。
お助けルーティンとは吸いたくなったときにとる行動を決めておくというもの。
例えば、深呼吸、水や飲み物を飲む、音楽を聴く、散歩をするなどです。

私の場合は
・アロマを炊いたり、精油を肌に塗布する
・カフェラテを飲む
・チョコを食べる
・音楽を聴く
・ストレッチをする
などで回避していましたが、体重も増えました(そこは許容範囲です…笑)。
医師の指導のもと、禁煙補助剤を使いながら、徐々にニコチン依存から抜け出す方法などが一般的です。
なかなか一人では難しい場合は禁煙外来に相談してみて下さいね。
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禁煙に有効なアロマ
集中力をあげて喫煙願望を軽減させてくれる精油
●ペパーミント
●ローズマリー・シネオール
●ユーカリ・ラディアータ
●ブラックペッパー
●ベルガモット
タバコをやめた直後にあらわれる集中力の低下に対して、頭をクリアにさせる手助けをしてくれます。
離脱症状によるイライラや落ち着かないときに快楽ホルモン【ドーパミン】の分泌を促してくれる精油
●フランキンセンス
●リトセア
●ゼラニウム
●パルマローザ
●シトロネラ
タバコの代わりに幸福感をもたらしてくれ、穏やかな気持ちを持続させてくれます。
心身ともにリラックスして安心できる精油
●ラベンダー
●ベンゾイン
●プチグレン
●ローズ
●マンダリン
リラックス作用があり、さまざまな離脱症状に優しく働きかけます。
禁煙アロマレシピ
【禁煙アロマスプレー】
用意するもの(スプレー容器50ml分)
●無水エタノール(消毒用エタノールでも可)5ml
●精製水 45ml
●ペパーミント精油 2滴
●ブラックペッパー 2滴
●プチグレン 4滴
●フランキンセンス 2滴
①無水エタノールを容器に入れ、続いて精油を入れていく。
②①をしっかりと混ぜてから精製水を注ぎ、蓋をしてさらにしっかりと振り混ぜる。
タバコが吸いたくなったり、集中力が無くなってきたと感じたら、一度振り混ぜてからシュッと1~2プッシュします。

【禁煙アロマ芳香浴】
用意するもの(アロマディフューザー100mlタイプ)
●ペパーミント精油 1滴
●ラベンダー精油 2滴
●ゼラニウム精油 2滴
食後や作業のあとのホッとしたい時間やあえて特別なシーンでなくても炊いてみては。
【禁煙アロマ香水】
用意するもの(ガラス製ボトル容器)
●無水エタノール 5ml
●ベンゾイン・レジノイド精油 5滴
●リトセア精油 5滴
①ボトル容器に、無水エタノールを入れ、精油を加えて希釈する。
②①に精製水を加え、よく振ってから使用する。

タバコが吸いたくなったら、手首や胸元、耳の後など肌に直接塗布します。
精油の組み合わせ(ブレンド)は無数にあると思いますが、いろいろと試行錯誤しながら自分が心地よいと感じるを見つけれたらと思います。
結局のところ、効果効能よりも香りの相性を優先すべきだと思っているので、苦手な香りに無理に合わせないこと。
それよりも香りを楽しむことで、禁煙も楽しめるようになりますよ。
おわりに
本当にアロマを使って禁煙ができるのか、身をもって検証してみたのですが、喫煙のリバウンドなく禁煙を続けることができています(卒煙?)。
これには自分でも驚いていますが、幸いすぐ手の届くところにアロマがあったので躊躇なく禁煙を始めることができたことも大きいと思います。
また、喫煙をいつから始めるか明確にしておいた方がいいですね。最後の1本の後の離脱症状に備えて何をやれるのかをあらかじめシミュレーションしておくことは非常に重要だと思います。
これは、いざ始めた時に路頭に迷わないための秘策です。
そしてもうひとつ、マインドとして気をつけていたのは「ガマンしない」こと。
そもそも禁煙自体が我慢の何ものでもないのは十分わかっているので、それをストレートに感じてしまうとただのストレスにしかなりません。
なので私はタバコからの「解放/release」と呼んでいて、ガマンという言葉は使わないようにしました。
意外と効果あったと思います。
そして最後に。
もし、身の回りに禁煙を頑張っている人がいたら、禁煙のための環境を整えるお手伝いをして差し上げてほしいと思います。また、禁煙が成功したときにはそれを称賛できる社会であったらいいなと思います。
以上です。