リトセア
あまり馴染みのない名ですが、和名では「アオモジ」と呼ばれていて、樹高5~10m程になるクスノキ科の常緑樹です。
果実にレモンに似た香りと辛味があるため、ショウガノキ、コショウノキとも呼ばれるそう。
レモンに似た爽やかな香りが、憂うつな気分を吹き飛ばしてくれたり、鎮静作用や誘眠作用を目的としたり、中国では古くからその効果が治療の目的として使われていたようです。
まだ精油の歴史としては浅く、【リトセア】は別名で【メイチャン】、【リツェアクベバ】、【チャイニーズペッパー】などいろんな呼び名があることもあってまだ定着していない感もありますが、用途は多岐にわたるのでこれからの身近な一本になってくるかもしれませんね。

また、禁煙のためのアロマレシピを探しているなかで浮上してきたのがこのリトセア。
適度に脳神経伝達物質「ドーパミン」の分泌を促して、イライラや不快な感情を解放し、リラックスしつつ高揚感や幸福感を得られる成分がこのリトセアには含まれています。
リトセアの奥深い一面ですね。
精油ガイド
レモン(レモングラス)に似た爽やかなフルーティさとメリハリのある酸味を感じるフレッシュな香り
学名/科名●Litsea cubeba/クスノキ科
主な産地●中国、ベトナム
抽出部位●種子、果実
抽出方法●水蒸気蒸留法
主な芳香成分
アルデヒド類:ゲラニオール、ネラール
モノテルペン炭化水素類:リモネン、α-ピネン、β-ピネン
モノテルペンアルコール類:リナロール
相性の良い精油
ハーブ系:ローズマリー、ペパーミント
柑橘系:オレンジスイート
フローラル系:ゼラニウム、ネロリ、ラベンダー
オリエンタル系:イランイラン
樹木系:プチグレン、ローズウッド
主な使用方法
トリートメント、フェイスケア、芳香浴、ハウスキーピング

どんなときに選びたい?
☑不安や緊張をかかえているとき
☑心が疲れていたり憂うつなとき
☑呼吸器系の不調を緩和したいときに
心への働き
緊張・不安・不眠・うつ状態・精神疲労
不安や緊張、ストレスをかかえているときなどに用いると、レモンのようなフレッシュな強めの酸味がマイナスの感情をリセットさせてくれます。
過度な興奮や神経過敏になっているときも、精神を鎮静し気持ちを切り替えてくれます。
また、疲れた心を癒して気分を高めてくれたり、集中力を高める働きもあるので、集中して勉強したいときや作業したいときにも向いています。

前向きな気持ちになりたいときの精油の一つです。
カラダへの働き
鎮痛・消化促進・呼吸器系の不調・誘眠
胃腸を強壮し、消化を促します。また鎮痛作用があり、筋肉痛や肩こりのある方はトリートメントを行うとスッキリし、スポーツ後の筋肉のクールダウンにも最適です。
花粉症や気管支炎など呼吸器系の不調にも良いとされており、芳香浴などで吸入すると有効です。
誘眠作用も知られており、寝る前に使うのがおすすめです。レモンの酸味の中のほんのりとした甘さが心地よい眠りに誘ってくれますよ。

肌への働き
消臭・デオドラント・抗炎症・抗菌・抗真菌
殺菌消毒し、デオドラント効果が高い精油なので、ボディーローションに少量ブレンドしておくと過度の発汗や体臭予防に役立ちます。
抗菌、抗炎症作用もあり、ニキビや皮膚炎にも有効とされています。

リトセアの使い方
芳香浴
用意するもの
●アロマディフューザー
●リトセア精油 2~3滴
(●ラベンダー精油 1滴 を加えるときはリトセアを減らします)
初めて使用する場合は1滴から始めるのかコツ。香りをまずは確かめてみて下さい。

トリートメントオイル
用意するもの(1~2回分)
●ホホバオイル 30ml
●リトセア精油 2滴
●オレンジ・スイート精油 2滴
●ラベンダー精油 2滴
①蓋つきの容器にホホバオイルを入れ、精油を加える
②蓋をしてしっかり振り混ぜる
お風呂上りなどに、優しいタッチで身体全体をトリートメントします。肩の周辺やみぞおち、つちふまずも忘れずに。
リトセアの爽やかな香りが疲れをリセットしてくれ、明日への元気を充電させてくれますよ。
花粉症アロマスプレー
用意するもの(50ml)
●無水エタノール 5ml
●精製水 45ml
●リトセア精油 4滴
●ティーツリー精油 4滴
●ペパーミント精油 2滴
①無水エタノールを容器に入れ、続いて精油を入れていく。
②①をしっかり混ぜてから精製水をそそぎ、蓋をしてしっかり振り混ぜる
リトセアは呼吸器の不調も緩和させてくれ、花粉症の時期にも活躍してくれます。レモンと似た香りですが、光毒性がないので安心して日中も使うことができますよ。

使用上の注意
リトセアは柑橘系のレモンにも似た酸味とほんのりとした甘さが特徴ですが、レモングラス系が苦手な方は同じく苦手な香りかも知れません。
上手にブレンドし、香りの調整をすることは可能ですが、ストレスになるようなら使用は控えた方が良いかもしれませんね。
レモンのような香りのため柑橘系に分類されがちですが、光毒性はありません。ただし、コショウノキともいわれるように敏感肌の方には刺激があるかもしれません。しっかりと希釈を守るか、少量から使用してみて下さい。
また、以下の注意事項を守るようにしましょう。
●妊娠・出産・授乳の時期は使用をさける
●皮膚が敏感な人は必ず50%以下の希釈で使用する
●緑内障の方は使用を避ける
リトセアの特徴をお分かりいただけたでしょうか?
まだあまり馴染みのない精油の一つかもしれませんが、リーズナブルで多機能なリトセア。ぜひ参考にしてみて下さい。
以上です。