女性に大切な必須ミネラル「鉄」
ですが、「しっかり摂取してくださいね!」と言われてもどうやって摂っていったらいいか分かりませんよね。

体の中にはもともと約3gの鉄分があるといわれていて、3分の2が全身への酸素を運ぶヘモグロビンの原料に使われ、残りの約3分の1が肝臓や脊髄などに「貯蔵鉄」として蓄えられています。
ところが、汗や尿、便などで1日に約1mg、生理の時はさらに1mgと1日あたりの約2mgの鉄を失います。
鉄は体の中で合成できないため、鉄を摂りつづけないとどんどん体の中の鉄がなくなっていくことになってしまいます。
では、失った鉄2mg/日だけ摂ればいいかというとそう簡単ではありません。
というのも、食品からの鉄分の吸収率は1割程度とかなり低いからなんです。
そのため、成人女性の鉄分の推奨摂取量は10.5〜11mgとなっています。
上手に鉄をとるには?
シンプルにいえば、鉄を多く含む食品を食べること、これだけです。
思い浮かべるのは、レバー?ひじき??ほうれん草???
吸収率:ヘム鉄>非ヘム鉄
実は食品によって含まれる鉄の種類が異なります。
動物系食品に含まれる「ヘム鉄」と植物系食品に含まれる「非ヘム鉄」の2種類です。
これらの違いは、「非ヘム鉄」が体内に吸収されにくく吸収率5%と低いのに対し、「ヘム鉄」は吸収率15~25%と高く、「非ヘム鉄」の3~5倍も吸収率が高いことです!
そのため、効率よく鉄を体内に摂りこむにはより吸収率の高い「ヘム鉄」を積極的に摂ることが近道になります。上手に種類を選んで鉄不足を解消しましょう!
100gあたりの鉄含量/食品成分表 女子栄養大学出版部
合わせ技で吸収率をさらにアップ
鉄の種類を選ぶとともに、「どんな食品とマッチさせるか」を意識するだけで鉄の吸収率はぐんと上がります。
特に、吸収率の低い「非ヘム鉄」を含む食品はビタミンCや動物性タンパク質などの合わせ技で吸収率を賢く上げることができます!
鉄×ビタミンC
ブロッコリー、レモン、キウイフルーツ、アセロラなどに含まれるビタミンCが鉄を吸収しやすい形に変えてくれる

鉄×動物性タンパク質
牛肉、卵、牛乳などに含まれる動物性タンパク質が鉄の吸収を高めてくれる

鉄×ビタミンB群
レバー、マグロ、アサリ、モロヘイヤ、ナッツ類などに含まれるビタミンB群の造血作用により赤血球をつくる手助けをする

タンニンの摂取を控える
コーヒー、紅茶、緑茶などに含まれているタンニンは鉄の吸収を妨げてしまいます。
食事中の飲み物は、タンニンを含まない麦茶やお水などにし、コーヒーや紅茶を飲むタイミングは食事から2~3時間くらい経過してからが良いとされています。
よく噛んで食べる
よく噛むことによって胃酸の分泌を促すことができます。
実は胃酸が十分に分泌されていると鉄の吸収も高まることがわかっています。よく噛んで食べることはもちろんですが、柑橘類や梅干しなど酸味のあるものを一緒に取り入れても良いですね!
おすすめ『鉄レシピ』
赤みの多い牛肉やレバー、アサリなどを使った鉄パワーを発揮させてくれるおすすめレシピです。
ぜひ普段の食卓にどうぞ♪
ひじきの和風サラダ
(味の素 鉄たっぷり食材活用レシピ特集より抜粋)
まとめ
食は身体を作るといいますが、現代の女性は無理なダイエットや多忙により食生活が偏りがちです。そうなると、鉄だけでなく必要な栄養素が補えないため、基礎となる体を作ることができなくなります。
鉄不足になるとめまいや頭痛、動悸、うつ、パニック症状などさまざまな不調を引き起こしたり、家事や育児、仕事においても十分なパフォーマンスが発揮できなくなります。
そうならないためにも、まずは食事をきっちりと摂りましょう!
鉄を効率よく摂るためには、鉄を多く含む食品を知ることから始まります。
今日からでも遅くありません。
鉄は一日にして成らず。鉄を食事から上手に摂って鉄不足を解消し、生き生きと輝く女性を一緒に目指しませんか?