カラダの不調

インフルエンザ流行期に備えてインフルエンザ予防接種をする?しない?

みなさんはインフルエンザの予防接種、もうお済ですか?

今年はコロナ渦とあって、ウイルスの感染予防への意識が高まったおかげか、インフルエンザに関しては感染者数が例年の1%以下(2020年11月現在)。
厚生労働省インフルエンザ感染状況

驚くべき成果ですね!

そんな影響もあってか、「今年は受けなくてもいいんじゃない?」という声を耳にします。

その他に、「打ってもかかる時はかかるからしない!」とか「体に害があるから」とかインフルエンザ予防接種を打つことに対してアンチな意見も聞かれます。

先日、「インフルの予防接種って受けた方がいいの?」と相談を受けました。職業柄、毎年そんな相談を受けることが多いのですが。

結局のところ、インフルエンザの予防接種は任意なので、本人の自由意志。

個人の価値観で決めるべきです。

なかには持病や体質的に受けられない人だっていますからね。

なのでぶっちゃけ「どっちでもいいよ」と答えています。

ちなみに私のまわりの接種率はほぼ100%!私ももちろん受けています。ただ、夫は受けていません、といった状況。

それでいいのです!

問題はきちんとインフルエンザ予防接種について知っていて意思決定できているか、というところかなと思ってみたりしています。

インフルエンザ予防接種を受けない理由

予防接種をしてもしなくてもかかる時はかかるでしょ?

答えはYESです。

ウイルスだって生き物ですから寄生して増殖し続けることが使命です。だからそんなにヤワではありません。

かかるときはかかります

ただし、発症のしかたに予防接種を受けた人とそうでない人とに違いがでるんです

実はここの認識が一般の人たちと医療職とでは大きく違っているように感じます。

「結局かかっちゃうじゃない!」「高熱が出たよ!」

もちろんそうなりますよね。

でもインフルエンザ予防接種の意味はインフルエンザに罹らないということではなく「発症を防ぐ」ことと「重症化を防ぐ」ことにあります。

発症を防ぐ

実はインフルエンザのワクチンには感染を抑える働きはありません。インフルエンザ予防接種というネーミングがいかにも感染を予防するかのような印象を与えることは否めませんね。

インフルエンザ発症予防接種、としたらもう少しピンとくるかもしれませんが…。

かかることと発症とはどう違うのか。

かかる(感染する)とはインフルエンザウイルスが体内に侵入し、身体の中でウイルスが増殖している状態。一方、発症しているというときは、発熱やのどの痛み、関節痛など体に何かしらの症状が現れている状態。

仮にインフルエンザにかかったとしても発症を抑えられる効果が予防接種で期待することができます。

重症化を防ぐ

インフルエンザ予防接種のメインはここにあります。

ただ、この重症化がポイント。軽い風邪のような症状でおさまればいいのですが、高熱が出たり、寝込んだりすることがありますよね。でもそれは重症化にはあたりません(個人にとっては大惨事でしょうけど…)。

肺炎や脳症をするなどの重い合併症が現れ、入院治療を必要とする場合を重症化と医療従事者のなかでは指しています。

この考え方のギャップが、「効果ないよね~」と言わしめている原因なのでなないかと思っています。

実際、インフルエンザ予防接種を受けた人と受けていない人とでは、受けた人の方が発症率や重症化率が低いという結果もでています。

予防接種を受けた方が発症リスクを抑えられるということですね!

体に害があるんじゃないの?

予防接種を受けないもう一つの理由としてインフルエンザワクチンの有害説

ワクチンの製造過程で添加される「防腐剤」のことを指していて「体内に毒を自らいれるなんて!」と叫ぶ人もいるようです。

これは一部真実ではありません。

インフルエンザワクチンを実際使うとき「腐っていた」なんてことにならないために、製造過程でチメロサールという防腐剤が添加されるんですが、接種後の体内での代謝の過程で「エチル水銀」が生成されます。

この水銀というワードが独り歩きした結果、有害説が生まれたのだと思います。

確かに、「水銀」というとめちゃめちゃ怖いですよね。

小学校の社会の教科書で見聞きした水俣病が記憶にある人は水銀が重篤な中枢神経障害を起こした健康被害のイメージがあると思いますが、こちらは工業用メチル水銀

エチルとメチル。ややこしいですが、全くの別ものです。

インフルエンザワクチンで体内に生成されるエチル水銀はごく微量で、数日で体内から排出されてしまうので、なんの問題もありません。

仮に少しでも水銀を体に入れるのは嫌だ!という人もいるかもしれませんが、残念ながらマグロなどの魚介類にちゃっかりとエチル水銀が含まれているので、現実的には水銀を体内に取り込まないようにするのは不可能に近いです…。

ちなみにマグロのお寿司1貫でインフルエンザワクチン接種4回分。

マグロやめますか?と問われるのと同じですね。

以上の2つのことがインフルエンザ予防接種に対して消極的になっている原因だと推測しています。

インフルエンザ予防接種は受けた方が良い?

ここも答えはYESです。

でもケースバイケースで、あくまで個人の価値観なので受けるもよし、受けないもよし。

ただ、「受けた方が良い?」と聞かれたときは、受けた方がメリットがあるよ、と答えています。

理由は先ほど書いたように

●インフルエンザの発症が抑えられる
●重症化のリスクを防げる
●有毒説はウソ

ですが、もうひとつはあくまで個人的な見解ですが、重症患者を世に送り出さない、という理由です。

コロナウイルス感染症の第3波が押し寄せてきています。

GO TO キャンペーンの産物とも言われたりしていますが、医療現場と一般の人たちとの感染症対策の意識は雲泥の差があると思っています。

実際病院に勤務している身内や知り合いからは、第1波のとき、医療現場はカオス状態だったと聞いていて、「俺たちは毎日身を削る思いでやってんのに、世の中自由過ぎ!」と嘆いています。

まあ、誰だってコロナにもインフルエンザにもかかりたくて動いているワケではないし、国の政策で救われている人がいることも事実。

ただ、これからインフルエンザの流行期に突入するということを頭において、少しでも国民の意識として医療現場を圧迫しない行動手段を選択したいと個人的には考えています。

まとめ

インフルエンザの予防接種、受けるか受けないか。

それはやっぱり個人の価値観で決めてよいと思います。

それには正しく知るということが大前提ですが。一部の口コミや誤った認識、周辺の意見に頼ることなく。

今回、特に相談を受けることが多く、迷われている方に少しでも役に立てばと記述してみましたが、いかがでしたか?

ちなみに、冒頭でも書いていますが、今年はビックリするくらいインフルエンザ感染者数が少ないです。これって日本人特有の清潔・衛生に対する意識の高さの賜物だと思います!

なので、普段の手洗いやマスク、ていねいに生活するということがどれだけ有効かと身をもって実感しました

これからのインフルエンザ流行期にむけて皆さんもこれまでのようにこまめな感染症対策とていねいに一日を過ごしましょう!

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